Q&A 第38回〈糖質制限食とは?〜前編〜〉
2012年07月25日
糖質制限食とは、糖質の摂取量を少なくすれば(炭水化物で1食20-40g、1日130g以下)、総カロリーを気にせず、脂質、蛋白質などをしっかり食べていいという発想から生まれた食事です。
実際に、糖尿病患者さんの血糖も良くなりますし、肥満の人にも減量の効果があると言われており、現在、この糖質制限食を糖尿病患者さんに推奨する糖尿病専門のドクターが増えているのが現状です。肉や魚の量は気にせずに食べられますし、飲酒についても焼酎、ウイスキーなどの蒸留酒は、適量なら構いません。
カロリー制限食では、すべての食品に対して摂取できる量に制限がかけられているため、食べたい食品が食べられないという不満感を感じる患者さんが多く、長期的には、食事療法を継続できない患者さんが多いのも事実です。
また、カロリー制限食は、この摂食量の不満を解消するために、むしろ脂質を厳格に制限し、糖質は逆に全体の50%-60%と増えます。従って、病院でカロリー制限食を食べますと、こんなにいつもご飯をたくさん食べていない、と感じる患者さんも多いようです。
しかし、糖質制限食ですと、食べたいもの(炭水化物以外)なら特に制限なく食べられるのでストレスが減る一方、糖質制限によってケトン体という食欲抑制物質が血中で増えるために、蛋白質や脂質を制限しなくても、実際は摂取量にブレーキがかかる、と考えられています。
従って、この糖質制限食は、従来のカロリー制限食とは全く違った発想の転換から生まれた食事なのです。<次号へ続く>