Q&A 第39回〈糖質制限食とは?〜後編〜〉
2012年08月29日
糖質制限食とは、糖質の摂取量を少なくすれば、総カロリーを気にせず、脂質、蛋白質などをしっかり食べていいという発想から生まれた食事です
海外のデータでは、糖質制限食のメリットとして、膵臓から分泌されるインスリンの必要量が少なくなるのでインスリン注射や経口薬を減らすことができる、減量の効果がある、脂質異常が改善する、などが挙げられていますが、この糖質制限食に関しては、日本の糖尿病学会においては、未だ、統一した見解がなく、むしろ否定的なようです。
それは、この糖質制限食では、心筋梗塞などの心血管イベントが通常食と比較して、約5%増えた、というデータが出たからです。これは、北欧のデータであり、日本人の食事と全く違うために、一概に比較はできませんが、懸念材料ではあることは間違いありません
しかしながら、従来のカロリー制限食ができないのであれば、糖質制限食をやってみる価値はあると思っています。一般的には、糖尿病は治らない病気ですから、治療が楽しくなければ、上手に一生付き合っていくことは不可能なのです
ただ、糖質制限食は、合併症がそれほど進行していない2型糖尿病患者さんに限って行うのが望ましく、まして、薬物治療中の患者さんが、自分の判断で行うと、低血糖を起こすなどの危険性が高くなるので、糖質制限を行う場合は、必ず主治医の先生と相談するようにして下さい。