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Q&A 第26回 〈ペットボトル症候群(ソフトドリンクケトーシス)とは?〉

2011年07月27日

ペットボトル症候群の正式名称はソフトドリンクケトーシスといいます。ソフトドリンクケトーシスは、軽症の2型糖尿病患者さんの中でも、とくに若い肥満のひとが多いのですが、糖質を多く含んだ清涼飲料水を大量に飲み続けていることで、血糖値が上昇し、インスリンの作用不足を引き起こします。すると、体の細胞は、細胞内に糖質を取り込めなくなり、糖質の代わりに脂肪が分解されるようになり、その脂肪の分解によって生じるケトン体が血液中に増えた状態のことをケトーシスといいます。さらに、ケトン体は酸性物質であるため、ケトン体が体内に蓄積し、血液が酸性に傾いてしまった病態をケトアシドーシスといい、著しい口渇、体重減少、倦怠感などの症状を認めます。患者さんは、そのような状態とわからず、のどが渇くために、さらに甘い清涼飲料水を摂取しようとし、どんどん、病態が進行します。つまり、坂を転げ落ちるように、このケトアシドーシスという病態は、進展していき、最悪のケースでは、最終的に、意識障害や昏睡を来すこともあります。
ソフトドリンクケトーシスは、補液、インスリン投与にて比較的早期に改善し、最終的には経口血糖降下薬や内服なしでの治療で経過観察できるようになることも少なくありませんが、治療法を誤ると、重篤に至ることもあります。
したがって、節電のため、冷たいものをたくさん飲みたくなる季節になりましたが、糖質が入ってない水、お茶やビタミンの補給を心掛けることが何よりも肝心です。


 

内科・糖尿病内科・消化器内科・肝臓内科 医療法人社団渡邉内科クリニック

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副院長 渡邉純代
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