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Q&A 第20回 〈高コレステロール血症と動脈硬化 〜後編〜〉

2011年01月28日

多くの大規模臨床試験において、最も心筋梗塞に影響を与える因子は、常に悪玉コレステロールと呼ばれるLDL-Cです。

アメリカ糖尿病学会では、糖尿病がある場合、LDL─C値に関わらず、LDL─Cを最も効果的に下げるスタチンと呼ばれる薬剤の投与を推奨しています。

 なぜならば、大血管障害のリスクの高い糖尿病患者さんにおいては、LDL─Cを下げれば下げるほど良い、ということが証明されたからです。糖尿病患者さんに対する薬物の複合介入は、血糖、血圧、脂質をすべて厳格に下げるべきという以前の考えは、もう古いと言っても過言ではありません。

 過度なインスリン頻回注射などの積極的な薬物介入は、体重増加や低血糖を引き起こし、大血管梗塞のリスクを逆に増大させることも報告されていますので、薬物による血糖管理の目標値はHbA1cで6・5%から7%程度に上方修正されましたし、血圧の管理は130/80mmHg未満に下げるメリットが否定されましたので、130/80mmHgをクリアすることを目標にすればOKです。しかし、脂質すなわちLDL─Cは下げれば下げるほど良い、というわけですから、積極的介入が非常に重要になっています。

 当院初診の患者さんの中にも、スタチンの服用を自己判断で中断されていたひとは少なくなく、また、自覚症状がない時期から治療をしていかなければならないので、当院ではスタチンでの長期に渡る脂質管理の必要性を説明した上で、最低でもLDL─Cが100mg/

dl未満を目標に投薬するよう心掛けています。

内科・糖尿病内科・消化器内科・肝臓内科 医療法人社団渡邉内科クリニック

糖尿病専門医・総合内科専門医
院長/医学博士 渡邉昌樹
消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・肝臓専門医・総合内科専門医
副院長 渡邉純代
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