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Q&A 第18回 〈糖尿病のひとが内服するべき降圧薬 〜後編〜〉

2010年11月26日

それほど目立った糖尿病性合併症がない患者さんが内服するべき第一選択薬のアンギオテンシン受容体遮断薬(ARB)には、たくさんの種類があり(商品名:ニューロタン、ブロプレス、ディオバン、ミカルディス、オルメテック、イルベタン、アバプロ)、過去10年間の大規模臨床試験で、幾つかのエビデンスが報告されています。

 その内容としては、心血管疾患である狭心症、心筋梗塞の一次予防、肥満がある糖尿病患者さんの代謝の改善、早朝の高血圧を下げることで、早朝の血管イベント抑制への期待、透析療法導入の本邦第一位の原因疾患である糖尿病腎症の進展抑制、脳血管保護効果から脳卒中や血管性痴呆の発症予防などが挙げられますが、実は、これらの疾患に対する有用性は、ARB間で共通しているものではなく、それぞれのARBがかなり違う特性を持っているということが分かってきたのです。

 従って、糖尿病患者さんの高血圧の治療においては、ただ血圧を下げればいいのではなく、しっかり降圧することと同時に、心臓、脳、腎臓といった臓器をいかに保護していくかを合わせて考えていかなければならない時代になってきました。

 我々は、まず、それぞれの糖尿病患者さんの現在の病態を的確に把握し、さらに今後の病態進展を予測した上で、最も適切なARBを選択し、提案してくことが重要な役割であると考えています。

内科・糖尿病内科・消化器内科・肝臓内科 医療法人社団渡邉内科クリニック

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院長/医学博士 渡邉昌樹
消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・肝臓専門医・総合内科専門医
副院長 渡邉純代
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