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Q&A 第12回〈糖尿病三大合併症〜腎症とは〜〉

2010年05月28日

糖尿病腎症は透析療法導入の本邦第一位の原因疾患で、心血管死の強い危険因子でもあります。  腎臓には、細い血管が集まった糸球体と呼ばれる構造物がたくさんあり、血液をろ過し、老廃物を尿として排泄する重要な役割があります。腎臓は、他にも、電解質や血圧の調節や、血を造るホルモンの生成など、さまざまな働きを持っており、生命維持に不可欠な臓器です。
 長期にわたって血糖値が高い状態が続くと、細い血管がゆっくり侵され、腎臓の機能が低下していきます。
 糖尿病腎症は進行のレベルにより、5つの病期があります。
・第1期(腎症前期) 正常な状態です。
・第2期(早期腎症期) 自覚症状はありませんが、アルブミン(蛋白の一種)尿が陽性となり、血圧が上がってくることがあります。
・第3期(顕性腎症期) 持続的に蛋白尿が陽性となり、腎機能が悪化し、浮腫(むくみ)や高血圧を認めます。
・第4期(腎不全期) 著しく腎機能が低下し、ネフローゼ症候群といって、全身に浮腫が起こったり、貧血や、倦怠感、食欲不振、嘔気などの尿毒症の症状がみられます。
・第5期(透析療法期) 透析療法が導入される時期となります。
 この腎症を食い止めるには、まずは、血糖と血圧の管理が最も重要です。ですので、血糖は、HbA1C6.5%未満に、また血圧は、上が130mmHg未満、下が80mmHg未満になるように心掛けて下さい。ただし、病期が進行すると、降圧目標値や食事療法などの治療内容がかわってくるので、腎症の病期を正確に把握しておくことが重要です。
 また、降圧薬のなかでも、レニンアンギオテンシン受容体拮抗薬という種類のお薬が特に腎症の進展を阻止する働きがあることがわかってますので、心配でしたら、主治医に相談するようにして下さい。

内科・糖尿病内科・消化器内科・肝臓内科 医療法人社団渡邉内科クリニック

糖尿病専門医・総合内科専門医
院長/医学博士 渡邉昌樹
消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・肝臓専門医・総合内科専門医
副院長 渡邉純代
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