Q&A 第10回 〈糖尿病三大合併症 〜神経障害とは〜〉
糖尿病の三大合併症には神経障害、網膜症、腎症がありますが、このうち最も早期に症状が出現し、頻度が多いのが、神経障害です。
血糖コントロールが不良であると、感覚を伝える感覚神経と、生命を維持するために無意識に内臓などの働きをコントロールする自律神経が徐々に侵されていきます。
まず、感覚神経障害の特徴として、両側性で、上肢より下肢(足先)に多く、安静時や夜間で症状が増強する、などが挙げられます。こむらがえり、足のしびれ、足底の感覚異常から始まり、病状が進行すると痛みが強くなり、さらには感覚が失われます。
こうなると、感染や潰瘍があっても痛みを感じないので、治療が遅れ、下肢が腐ってしまう現象が生じ、これを壊疽(えそ)と呼びます。この壊疽は、非常に恐ろしい病態で、油断すると下肢の切断に至ることがあります。
角化(ひび割れ)、鶏眼(うおのめ)、胼胝(たこ)、白癬(みずむし)、靴擦れなどの皮膚の変化、陥入爪、巻き爪などの爪の変化などが感染のきっかけとなりますので、足は毎日見て、清潔にし、適切な爪の処置をし、自分に合った靴を選ぶことが壊疽から逃れる秘訣です。
次に自律神経障害ですが、代表的な症状として、排尿、排便障害、胃排泄機能障害、勃起障害、起立性低血圧、発汗異常などがあります。また、低血糖の症状を自覚できなくなる無自覚低血糖や、胸痛を感じなくなる無痛性心筋梗塞や致死性不整脈などの病態を引き起こし、突然死につながることもあります。
神経障害の薬物治療は、唯一、アルドース還元酵素阻害薬がありますが、血糖が悪いと効果が得られにくいと言われています。
やはり、最も重要なことは良好な血糖コントロールを保つことなのです。しかし、逆に血糖コントロールを改善することで神経症状が悪化することもあります。
これは治療後神経障害と言って、主に神経痛が主体です。
血糖が改善することによって、神経が正常の機能を中途半端に取り戻してくることで、返って強い痛みを感じるようになることもありますので知っておくべき症状ですね。