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Q&A 第9回 〈普段の家庭での血圧を知っておくことが重要〉

2010年02月26日

糖尿病患者さんの約半数が高血圧を合併しているといわれています。血圧の管理をおろそかにしていると、自覚症状がないまま、脳卒中や狭心症、心筋梗塞などの動脈硬化性の病気や、糖尿病腎症などの合併症が進行します。
 糖尿病患者さんの降圧目標は、医療機関で測定するときは130/80mmHg未満、家庭で測定するときは125/75mmHg未満です。
 “家では正常なのに、病院では、なぜこんなに高いだろう?”と言われる患者さんが多くおられますが、これを白衣高血圧といいます。
 逆に医療機関で血圧を測定すると低いのに、家庭では高くなる場合を仮面高血圧といいます。すなわち、家庭で血圧を測り普段の自分の血圧を知っておかないと治療方針を決めにくい場合があるわけです。
 また、糖尿病患者さんの血圧の特徴として、健常者にみられる夜間の血圧低下がみられなくなり、早朝高血圧を引き起こしますことが知られています。早朝高血圧は、さらに大血管障害のリスクを高めるので注意が必要です。
 治療は、よほど血圧が高い場合を除いて、まずは、生活習慣の修正から開始します。日本人は塩分感受性が高く、塩分を控えるだけで薬を必要としなくなる場合もあります。それでも降圧が不十分であれば、薬物治療になります。
 糖尿病患者さんでは、レニン・アンギオテンシン系抑制薬という降圧薬を第一選択とすることが、高血圧学会のガイドラインで決められています。
 血圧の変動に影響する因子は食事、運動、喫煙、飲酒、肥満、気温、ストレス、自律神経障害(糖尿病神経障害など)、ホルモン分泌の異常など多くあります。
 是非、家庭で朝、晩に上腕で血圧を測定することをお勧めします。血糖コントロールとともに、血圧を管理していくことが、合併症の発症、進展、再発の抑制に非常に重要だからです。
 

内科・糖尿病内科・消化器内科・肝臓内科 医療法人社団渡邉内科クリニック

糖尿病専門医・総合内科専門医
院長/医学博士 渡邉昌樹
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副院長 渡邉純代
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