Q&A 第6回 〈高血糖のひとは抵抗力が弱くなっているので要注意〉
2009年11月27日
ウイルスや細菌などの病原体がからだの中に入ってくると、白血球がそれらと戦ってくれる生体防御機構を免疫といいます。
血糖値が高いひと(一般的に、血糖値200mg/dl以上)は、この免疫システムが弱くなっています。また、侵入してきたことのある病原体に対しては抗体が作られ、次に同じ病原体が侵入してきたときに防御する機能も低下しています。
これらの病原体が原因で起こるさまざまな感染症にかかると、さらに血糖値は上昇し、病原体の勢いが増します。血糖コントロールの悪いひとほど、この悪循環の流れに乗ることとなります。
どんな感染症が多いかというと、膀胱炎、腎盂腎炎、気管支炎、肺炎、蜂窩織炎、水虫などの白癬菌感染症などです。
糖尿病のひとがインフルエンザにかかると、肺炎や脳炎など重症化しやすい傾向があります。実際に、インフルエンザでなくなった成人を調べますと、ほとんど全員が、糖尿病などの基礎疾患を持ったひとです。予防接種で感染症の発症を完全に阻止できるわけではありませんが、このような基礎疾患を持ったひとの場合は、軽症ですむことに大きな意味があります。主治医の許可が得られれば、予防接種は是非、受けたほうがいいと思います。
メディアなどの影響もあり、現在はインフルエンザが注目されていますが、他にも感染症はたくさんありますので、糖尿病の患者さんは、日頃から血糖管理をしっかり行い、体調を崩したときには、早めにかかりつけの医療機関を受診するよう心掛けましょう。