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Q&A 第49回〈糖尿病腎症の治療について〉

2013年06月28日

 近年、糖尿病による腎障害が著しく増加し、人工透析導入の原因疾患の第1位となっています。

 糖尿病腎症の病態の中心は蛋白尿です。毛細血管からなる糸球体がたくさん集まってできている腎臓は、体にとって不要なものを捨て、大切なものを残すという、言わば、ろ過装置の役目をしていますが、高血糖が続くと、この糸球体が壊れ、ろ過機能が低下していきます。そのうち、尿に蛋白が漏れ、逆に老廃物を尿に排泄できずに体内に溜まってくると、最終的には尿毒症の症状を引き起こします。

 糖尿病腎症の治療は、この蛋白尿をいかに抑えるかが重要になってきます。治療の基本は、当然、血糖、血圧の管理ですが、血圧については、塩分制限に加え、レニン・アンギオテンシン系抑制薬と呼ばれる降圧薬を用いることが必須です。なぜなら、この降圧薬は尿蛋白を減少させる働きがあると考えられており、従って、糖尿病患者さんの降圧薬としては、第一選択薬となっています。

 ただ、糖尿病腎症が進行していくと、塩分制限に加え、蛋白質の摂取制限などが必要になってくるので、食事療法も複雑化してくる上、血圧が上昇してきたり、浮腫も出現してきたりするなど、治療も一筋縄にはいきません。やはり早い段階で糖尿病腎症を発見することが何より重要です。そのためには、普段の尿検査だけではなく、微量アルブミン尿の検査をする必要があります。微量アルブミン尿の段階であれば、腎症の進行を防ぐことができるので、しっかり治療するように心がけましょう。

内科・糖尿病内科・消化器内科・肝臓内科 医療法人社団渡邉内科クリニック

糖尿病専門医・総合内科専門医
院長/医学博士 渡邉昌樹
消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・肝臓専門医・総合内科専門医
副院長 渡邉純代
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