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Q&A 第35回〈食事療法②〜ゼロベースで発想の転換を〜〉

2012年04月25日

ほとんどの糖尿病患者さんは、自分の生活習慣が悪く、その影響で糖尿病になっているという自虐的な考えを持っています。勿論、それは部分的には正しいと思います。しかし、生活習慣病というものは本当に存在するのでしょうか?生活習慣は、life styleと訳しますが、life style diseaseという言葉は見当たりません。なぜかというと、基本的に欧米人はほとんどが肥満を持っていて、その中に、糖尿病患者さんがいるわけです。従って、外国では、生活習慣は、病気の発症や進展に深く関わる重要な因子ですが、決して、生活習慣が悪いだけで病気になるわけではない、という根本的な発想があります。
日本ではどうでしょうか?日本人は、非常に肥満度が低い民族で、生活習慣が悪くなって肥満になるひとが糖尿病になる確率は非常に高い民族であることが分かっています。ですから、糖尿病=肥満=生活習慣が悪いからだ、という自虐的な発想、すなわち、生活習慣病という言葉が生まれたのは、実はこの日本なのです。我々日本人の糖尿病には、やせ型、すなわち、生活習慣と無関係な糖尿病も多く存在します。だからと言って、決して、生活習慣をおろそかにしていいですよ、ということありません。生活習慣を是正することは、糖尿病の治療の第一です。しかし、生活習慣が悪いから糖尿病になったんだ、などと強く言いすぎてしまうと、患者さんはストレスを感じてしまいます。ストレスを与えることがどのような結果になるか、おそらく、脳内でニューロペプチドYという、ストレス誘発性物質が増えて、さらに過食になり、血糖コントロールを悪化させてしまいます。食生活改善で一番重要なことは、日常におけるストレスをなるべく少なくすることなのです。
 

内科・糖尿病内科・消化器内科・肝臓内科 医療法人社団渡邉内科クリニック

糖尿病専門医・総合内科専門医
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副院長 渡邉純代
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