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Q&A 第21回 〈糖尿病と喫煙の関係について教えてください〉

2011年02月25日

喫煙は、血糖値を下げるインスリンの効きを悪くさせ、活性酸素や一酸化炭素が、血管にダメージを与えるため、糖尿病を発症しやすくし、その合併症を進展させます。
ですので、糖尿病患者さんが、禁煙することは非常に大切なことなのです。

 喫煙は糖尿病以外にも、血圧や脈拍の上昇、脂質異常、動脈硬化の進展に関わり、急性心筋梗塞や冠攣縮性狭心症などの虚血性心疾患を引き起こし、長期的には高血圧の発症、進展にも影響していると言われています。その他にも、脳卒中、肺の炎症性疾患であるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺、喉頭、食道、胃、膀胱、膵がんなどの悪性腫瘍や歯周病の進行などにも関与し、現在、喫煙は健康維持に対する敵と見なされています。

 しかし、喫煙が体に及ぼす影響は悪いことばかりではありません。
禁煙すると体重が増えてしまうのは、喫煙中のニコチンは、脂肪組織での脂肪分解や熱産生能を活性化したり、情動ストレスを軽減させるなどの抗肥満作用があるからです。

 また、胃の血流を障害することも、体重増加を抑制する要因のひとつですが、同時に胃酸を過剰に分泌する働きなどがあり、消化性潰瘍などを引き起こしやすくするため、これらの作用は、喫煙のメリットとは言えません。
 

 禁煙による体重増加は一過性に糖尿病発症リスクを高める報告もありますが、長期的に喫煙が招く多くのデメリットを考えると、医療従事者はもとより、社会全体で禁煙支援を促進することは当然のことだと思います。
 

 2006年からは禁煙治療に保険が適応されるようになり、最近ではニコチンを含まない飲み薬タイプの禁煙補助薬が治療に使われることが多くなっています。
当院でも禁煙治療を行っていますので、お気軽に御相談ください。

内科・糖尿病内科・消化器内科・肝臓内科 医療法人社団渡邉内科クリニック

糖尿病専門医・総合内科専門医
院長/医学博士 渡邉昌樹
消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・肝臓専門医・総合内科専門医
副院長 渡邉純代
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