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Q&A 第16回 〈頻回注射法が正しいインスリン治療とは限らない〜後編〜〉

2010年09月24日

BOT(basalsupported oral therapy)療法は、経口血糖降下薬に持効型インスリン1回注射を組み合わせた治療法です。 
この治療法は、24時間、効果が持続する持効型と呼ばれるインスリンが開発されたことによってはじめて可能になった最近の治療法で、体重増加、低血糖が起こりにくく、世界的なインスリン導入として、最も標準的な治療法となりました。

 2型糖尿病の場合、頻回注射法からBOT療法に切り替えられる症例も少なくありません。
さらに最近は、この持効型インスリンで、朝の空腹時血糖を厳格にコントロールするだけで、インスリン分泌能が回復し、だんだんと食後高血糖まで改善してくることがわかってきました。

 理想的な糖尿病の治療というのは、従来は、血糖さえ下げればよい、とされてきましたが、このインスリン治療の例だけみても、決してそうではない、ということがわかったと思います。体重増加や低血糖を回避したり、患者さんの精神的負担を軽くしてあげたりすることも大きな視野で考えた場合、重要なことなのです。

 入院すれば、ほとんどの患者さんは血糖が改善しますが、普段の生活は、みなそれぞれ違い、入院のようにはうまくいきません。

型にはまった治療法を押し付けるのではなく、その患者さんの生活に合わせた形でインスリン治療を患者さんと一緒に考え、少しでも理想に近い治療法を提案させて頂くのが、我々の役割だと考えています。
(注:ただし、このBOT療法には、適さない患者さんもおられます。その適否の判断は、診察が必要となりますので、ご了承下さい。)

内科・糖尿病内科・消化器内科・肝臓内科 医療法人社団渡邉内科クリニック

糖尿病専門医・総合内科専門医
院長/医学博士 渡邉昌樹
消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・肝臓専門医・総合内科専門医
副院長 渡邉純代
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