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Q&A 第11回 〈糖尿病三大合併症〜網膜症(眼合併症)とは〜〉

2010年04月30日

糖尿病網膜症は血糖コントロール不良の状態(HbA1c7%以上)が続くことにより、網膜の血管が侵される病気で、中途失明の原因の本邦第一位という恐ろしい合併症です。
 糖尿病を発症してから、早いひとで、5年を経過しないうちに網膜症を併発し、20年で約80%の患者が糖尿病網膜症になると言われています。
 網膜症は進行のレベルにより、網膜症なし(正常)、単純網膜症(軽症)、増殖前網膜症(中等症)、増殖網膜症(重症)の4つの病期があります。
 増殖前網膜症の状態までは、ほとんど自覚症状はありません。すなわち、網膜症はかなり進行するまで自覚症状がないため、早期発見、早期治療のためには、定期的な眼科受診が必要不可欠なのです。
 増殖前網膜症や増殖網膜症になると、レーザー治療や硝子体手術が必要となってきます。また、眼科の先生に一生懸命治療して頂いても、内科的治療が悪ければ、再び、眼の症状は悪化していくので、HbA1cは、余裕をもって、6.5%未満に保ち、血圧や脂質管理もしっかり行っていく必要があります。
 糖尿病治療を放置し、長年経過しているひとの場合、急速に血糖値を下げると、逆に網膜の症状が悪化するひともいますので、積極的な内科的治療を始める前には、必ず眼科を受診して頂かなければなりません。
 また、糖尿病を原因とする眼の病気、いわゆる糖尿病眼合併症は網膜症以外にも様々あります。
 最も頻度が高いのは白内障で、若い糖尿病患者が増えているため、20歳代から白内障の治療を受けるひともいます。その他、視力に最も影響が出る黄斑症や、緑内障、角膜症、近視や遠視などの屈折・調節異常なども起こります。
 眼科を受診する際は、内科医と眼科医が眼合併症の情報を共有するために、糖尿病眼手帳を活用するようにしてください。
 また、眼底検査を受ける際に、点眼薬で散瞳させるため、検査後は普段より眩しく感じ、周りが見えづらくなります。自転車、バイク、車での受診は危険ですので、移動手段に関しては、十分注意してください。

内科・糖尿病内科・消化器内科・肝臓内科 医療法人社団渡邉内科クリニック

糖尿病専門医・総合内科専門医
院長/医学博士 渡邉昌樹
消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・肝臓専門医・総合内科専門医
副院長 渡邉純代
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