Q&A 第7回 〈糖尿病のひとは飲酒による低血糖に注意〉
2009年12月25日
年末年始は飲酒の機会が多いので、今回は、アルコールと糖尿病に関する質問にお答えします。
アルコールは1gあたり7kcalと高カロリーにもかかわらず、体の中でブドウ糖に戻ることができません。
空腹時や夜間に肝臓がブドウ糖を作り出し、肝臓のグリコーゲンの分解が亢進して、我々の血糖は下がりすぎないように維持されていますが、アルコールはこの肝臓の働きを抑えるため、しばらくすると血糖値は低下していきます。飲酒後にごはんや麺類を食べたくなるのもこのためです。
糖尿病でインスリン治療やインスリン分泌を促進させるSU薬で内服治療しているひとが、飲酒して糖質を摂取しなかったらどうなるでしょう。
薬物で低血糖が起こり、アルコールで血糖が上昇しにくくなり、低血糖の回復が遅れます。まわりのひとも酩酊しているのだと思いこみ、低血糖脳症を引き起こし、そのまま意識が戻らなくなることもあります。低血糖を起こす可能性のある薬物で治療されている糖尿病のひとはとくに注意が必要です。
また、慢性的な大量の飲酒は内蔵脂肪型肥満や肝臓や膵臓の病気を引き起こし、むしろ逆に高血糖の引き金となります。
ですから、日頃から、節度をもった飲酒が肝要ですし、また、飲酒をする場合にもしっかりと適切な食事を摂ることを心掛けましょう。