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Q&A 第52回〈新しい糖尿病治療薬〜SGLT2阻害薬〜〉

2013年10月01日
 糖尿病治療の経口薬では、近年、DPP-4阻害薬が登場したのは周知の通りですが、次世代の全く新しい機序によるSGLT2阻害薬が発売される予定です。このSGLT2阻害薬を理解するには、腎臓の働きについてまず知っておく必要があります。
 
 腎臓は、血液中の不要な老排泄物を、尿として体外に出す働きをしていますが、まず第一段階として、すべての血液は、腎臓の糸球体というフィルターを通ります。ここで、蛋白や血球成分はフィルターを通過しませんので、それ以外のすべての体液成分が、一旦、尿細管というところに集められます。
 これを原尿と呼びます。この原尿の中には、我々の体にとって必要な成分も入ってますので、第二段階として、この原尿中の必要な成分を尿細管と呼ばれる細胞が再吸収するのです。ブドウ糖もそのうちの成分のひとつです。必要な成分だけ選択的に吸収するためには、当然、その成分だけを運ぶもの、すなわち糖輸送担体が必要です。ブドウ糖は、尿細管では、SGLT2と呼ばれる糖輸送担体によって再吸収されます。
 
 一方、SGLT2阻害薬は、糖輸送の働きをブロックするので、ブドウ糖は、そのまま再吸収されずに体外に排出されるようになります。
 このような機序によって、血糖値が下がるのです。炭水化物摂取を減らすことと同じ作用がありますので、体重減少効果も期待できます。副作用としては、尿糖が増えますので、膀胱炎を引き起こしやすくなったり、また、浸透圧利尿効果で尿量が増え、脱水症などの危険性も高まります。
 来年の夏もおそらく酷暑になるでしょうし、SGLT2阻害薬を内服している糖尿病患者さんにとっては、十分な水分補給が、今まで以上に大切な夏になりそうです。 

内科・糖尿病内科・消化器内科・肝臓内科 医療法人社団渡邉内科クリニック

糖尿病専門医・総合内科専門医
院長/医学博士 渡邉昌樹
消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・肝臓専門医・総合内科専門医
副院長 渡邉純代
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