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Q&A 第13回〈糖尿病は原則的には治らない病気〉

2010年06月25日

糖尿病と一旦診断されたら、原則的には一生治療が必要で、絶対に完治しない病気と一般的に考えられています。なぜかというと、インスリンを出す膵臓の細胞の老化現象が糖尿病の原因と考えられているからです。ですので、薬物治療の有無に関わらず、治療を開始されて健常者と同じ血糖レベルになると、もう治療しなくていいと思い込み、通院を中断し、せっかく良い血糖を維持していたのに、いつの間にか糖尿病が悪化してしまうひとも少なくありません。しかし、逆の見方をしますと、血糖値は常に変動するものであり、治療を放置しないようにさえすれば、怖くない病気とも言えるのです。
 とはいうものの、一生、治癒しないなどと断言されると、患者さんの治療へのモチベーションが下がるのは当然です。だからこそ、糖尿病がどんな病気で、治療していくことによって、どのようなメリットがあるかを知ってもらうことが重要なのです。糖尿病の治療目標は、血糖の管理や、合併症の発症の予防ならびにその進展抑制でありますが、最終的には、健常者に近い生活の質を維持しながら長生きをするということに尽きるわけです。
 しかし、治療を行っていく中で、日常生活に強い制約を感じている患者さんは多いと思います。我々医療スタッフは、患者さんが、この制約感に見合う利益を得ていくことで、制約感を少しでも前向きな治療ととらえてもらえるように、援助していくことが大切な役割だと考えています。
 例えば、大変な食事療法も、糖尿病患者さんを苦しめるための特殊な制限食と捉えるのではなく、糖尿病食というのは、万民が、健康で長生きするために必要な理想食であり、それを実践しているのだ、と考えることが動機づけには、非常にいい効果があると思います。このような心情の変化があった上で、良好な血糖コントロールを維持できることが、本来の糖尿病治療の姿なのだと考えています。

内科・糖尿病内科・消化器内科・肝臓内科 医療法人社団渡邉内科クリニック

糖尿病専門医・総合内科専門医
院長/医学博士 渡邉昌樹
消化器病専門医・消化器内視鏡専門医・肝臓専門医・総合内科専門医
副院長 渡邉純代
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